STORYストーリー
地方テレビ局のチャリティー番組でオフィシャルサポーターをつとめる柏倉リン・19歳。 番組内ではハート型のかぶりものを被り、「世界平和」を謳って募金を呼びかけているものの……疎外感を覚えてしまうリンは、周りの大人達と打ち解けられず、一人暮らしの自宅での話し相手はもっぱらAIという孤独。周りに合わせて上手く生きることができず、自分にも正直になれない。社会と自分の間に横たわる違和感に気付いたリンのモヤモヤは蓄積するばかり……ついに “ハタチ”という人生の節目を迎えることになるが…… 「大人ってなんだっけ?」果たしてリンは自分なりの答えを見つけることができるのか?
COMMENTコメント
ハートだか尻だか判然としない。
どっちでもいいが、どっちでも良くはない。
それが全てなヒロインの日常にズレとスキマ。そんな映画。
ある種のズレがグルーヴを産み、ある種のスキマが日常の表層の奥にある真実をさらけ出す。そんな映画。
今まで触ったことのないおかしみが存在し、意識したことすらない感情が表沙汰になる。笑えるほど酷い話ですわ。
とにかく、ヒロインがずっと目が点。こんな映画初めてだす。
チャリティーサポーターを務める少女の日常に潜む、不寛容な地獄めぐりをコーエン兄弟の初期衝動のような、奇想天外でシニカルな眼差しで描き切っている。
POP!が魅せる新たなストレンジワールドを、思いっきり楽しんで!
やるべきこととやらなくてもいいこと。
話すべきことと話さなくてもいいこと。
笑うことと泣くこと。
その両者の間にある曖昧な部分。
まるで夜でも朝でもない午前4時のような時間。
そんな時間が好きだったことを思い出させてくれた。
毎日、目の前に展開される「現実」と呼ばれるものが、夢か現実かはたまた映画なのか?誰も証明できないわけで。
ならばpop!に生きなきゃね。
シュールで笑えてお洒落で。すっごく好きです。日本の映画じゃないみたい。
いや、どこの国の映画でもないみたい。
1人で何十通り、何百通りもの解釈ができそうな、P・O・P!でした!!
考えても仕方ない事ほど考えちゃうし、深く考えなくてもサラッと成功しちゃう人はたくさんいる。そうなれたらいい事ぐらい、自分が一番分かってる。
夢も希望も自分っていう存在すら、簡単に忘れられちゃうようなものなのかもしれない。
それでもやってくしかない。自分なりに居心地のいいところを見つけてやっていく。
なんとなく、そんな事を考える映画でした。
身の回りで巻き起こる出来事を通し、社会や大人に対する”違和感”を感じ始める主人公のリン。
19歳から20歳、子どもから大人へとカテゴライズされていく狭間で、戸惑いながらも自分なりの答えを見つけ出そうと奮闘する姿が、どこか歪で、そして勇敢でした。
主演の小野莉奈ちゃんから溢れ出す、なんともいえない儚さが印象的で心を持っていかれました。脳裏に焼き付きついて離れない、この不思議な体験を、是非劇場でお楽しみください!
主演俳優を魅力的に見せるために全力を投じた監督が凄い。若いセンスでしか撮れない映画。実はめったに観られるものではない。
理想と現実。平和と爆弾。ケツのように割れているこの世界で、もがきながらも正しく生きようとする柏倉リンに僕のハートは掴まれた。
他人事とは思えない!がんばれ!リンちゃん!